2022年度入社式をメタバースで実施

 2022年4月1日(金)に2022年度のエムティーアイ入社式をメタバース(仮想空間)にて行いました。  当社は2020年より全社でテレワークを導入し、現在9割以上の社員がテレワークで勤務しており、一定の条件を満たせば所属事業所の通勤圏外に居住・転居して国内のどこからでも勤務可能な制度を整備するなどの多様な働き方を実現しています。  本年は新たな試みとして、地方在住で地方から入社式に参加する新入社員が参加しやすく、より当社らしさを感じられるよう、グループ会社である株式会社ポケット・クエリーズが提供するVR研修システムの『iVoRi...

 2022年4月1日(金)に2022年度のエムティーアイ入社式をメタバース(仮想空間)にて行いました。

 当社は2020年より全社でテレワークを導入し、現在9割以上の社員がテレワークで勤務しており、一定の条件を満たせば所属事業所の通勤圏外に居住・転居して国内のどこからでも勤務可能な制度を整備するなどの多様な働き方を実現しています。
 本年は新たな試みとして、地方在住で地方から入社式に参加する新入社員が参加しやすく、より当社らしさを感じられるよう、グループ会社である株式会社ポケット・クエリーズが提供するVR研修システムの『iVoRi 360(アイヴォリィ サンロクマル)』※を活用して構築されたメタバース上で入社式を行いました。
 新入社員は自身の視線や歩行動作連動する3Dゴーグルを着用することで、当社内を背景とした入社式会場内を歩いて移動したり、社長をはじめとする役員や新入社員同士でとコミュニケーションを取っていました。

 

 

 地方から参加した新入社員からは「ビデオ通話と違い、VRだと参加者の身振りが見られたり、360度の会社の雰囲気を知ることができた」「視点を自在に変えられるため、全員が一つの方向を向き、一体感を高めることができたように思う」といった声が上がり、会社に実際に出勤する機会が少なく、社内の雰囲気を感じにくいという課題にもアプローチできるニューノーマルな時代の入社式となりました。

 

 

※『iVoRi 360』は、3DCGベースではなく360度映像ベースの仕組みを採用し、最短1~2日の短期間かつ低コストでメタバースを構築可能なVR研修システムです。http://quantize-world.com/projects/ivori360/

コロナ禍をきっかけに、従業員の働きやすい環境を考える

 当社では、コロナ禍の緊急対応として全社的にテレワークへ移行したことをきっかけに、 緊急事態宣言下の現在、オフィス出社率は1割未満となっています(2021年3月)。  そこで今回、テレワークへの移行にあたって、大きな役割を担った部署へ移行時の苦労や導入後のメリット、課題などについてインタビューを行いました。...

 当社では、コロナ禍の緊急対応として全社的にテレワークへ移行したことをきっかけに、 緊急事態宣言下の現在、オフィス出社率は1割未満となっています(2021年3月)。
 そこで今回、テレワークへの移行にあたって、大きな役割を担った部署へ移行時の苦労や導入後のメリット、課題などについてインタビューを行いました。
 第一弾とし て、勤務制度の整備や導入後に従業員のヘルスケアのフォローをプロジェクトメンバーと連携しながら進めてきた、人事部の鷲頭有沙さんにお話を聞きました。
 テレワークへ移行したくてもなかなか踏み出せない企業が多いと言われる中で、当社が移行できたポイントは何だったのでしょうか?

緊急事態宣言下のオフィス出社率は1割未満。働き方を見直すきっかけに。

―新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、従来のテレワーク制度をどのように見直したのでしょうか?

 当社では以前から月10日を上限とする在宅勤務制度を導入していましたが、介護や育児をされる方の支援として実施しているものでした。しかし、新型コロナウイルス感染症から従業員を守るというBCP対応として、2020年3月から全従業員を対象としてテレワークを導入しています。その際に、業務の見直しを行い、「テレワークでも仕事をすすめることができる」という気づきがありました。働く場所を会社や自宅など自身の状況にあわせて選ぶことで、個人のライフスタイルに合わせた働き方ができ、生産性向上にも繋がるのではないか?と感じました。 
 そのような背景からBCP委員会を中心に5月に「テレワークスタンダード化プロジェクト」を立ち上げ、10月には全従業員を対象に「自分自身の生産性を向上させ、多様な働き方を実現するために、テレワークを新たな働き方として活用してください」というメッセージのもと、テレワークを新たな働き方として選択できる制度を導入しました。
 また、これを機に10時~15時がコアタイムのフレックス制度からコアタイムのないスーパーフレックス制度に変更をいたしました。7時から22時までの間をフレキシブルタイムとし、業務開始時間を早めて夕方早く上がったり、子どもの帰宅時間にあわせて途中休憩をとり、その後また業務を行うなど、テレワーク制とあわせて多様な働き方を推進し、各自のパフォーマンスを発揮しやすい環境の整備を行っています。

―現在のオフィス出社の割合はどの程度でしょうか?

 月のトータル就業日数を分母として、そのうち出社回数が何回あるのか、という算出の仕方でオフィス出社率を計算しています。そのため、出張や営業先に外出している従業員の数値は反映されていませんが、それを抜いても9割以上の方は出社していないと認識しています。

 

苦労も多かったが、テレワーク導入の目的を見失わず、制度設計を行うことが重要!

―テレワーク制度を本格導入するにあたり、苦労した点はありますか?

 たくさんありました(笑)なかでも、細かい制度の内容を決めていくことは大変でしたね。
 制度の目的は「テレワークを活用することで、多様な働き方や生産性の向上を目指す」というものです。毎日出社することでパフォーマンスを発揮できる方もいれば、在宅で仕事をする方が生産性高く働ける方もいます。それを考えた上で、自宅以外の勤務場所をどこまで許容するか、その場合の条件をどう設定するかなど、テレワーク制度のルール決めについては経営層へヒアリングや、全社アンケートの結果を参考にしたり、人事部内、担当役員との検討をすすめ、ある程度余裕をもたせ制度設計を考えました。
 具体的には、テレワークにおける勤務場所を自宅、自宅以外の居宅、その他場所と区分し、「情報セキュリティが担保されていれば可とする」ことにしました。出社条件も、目安としては月に1~2回というメッセージは出してはいますが、必須ではありません。あくまで制度導入の目的にそって、ある程度従業員が選べるように、制限をかけすぎず、かつ、リスクを担保しながら設計をしたところが工夫したポイントだと思います。

―導入に反対の意見はありませんでしたか?

 経営層の意向もあり、また経営層とBCP委員会との合意を得てすすめており、会社として方針が決まっていたため、導入に対しての反対意見はありませんでした。「テレワークになるなら、私たちの事業/部門はこのように対応しなくてはけないよね」というような感じで、各部門で積極的に検討してくれていましたね。

 

テレワーク導入のメリットは、自分が最も活躍できる場所を選べること!

―テレワーク化によるメリットはどのようなものでしょうか?

 自分が一番働きやすくパフォーマンスを上げられる、活躍できる場所を選べるようになったというところがメリットだと思います。
 時間が有効に使えるようになった事はもちろんですが、一人暮らしの人が実家で一定期間、家族のサポートを受けながら勤務できたり、介護をしている従業員が遠方の実家と行き来しながらテレワークを活用したり、エンジニアからは集中して作業でき仕事がしやすくなったという声もあがっています。
 実際に「生産性があがっているか?」「ワークライフバランスが向上しているか?」については定期的にデータをとる必要があると考えているので、その点はモニタリングを継続的に実施していく予定です。
 また、人によってはテレワークがあわないという人もいると思います。緊急事態宣言があけて出社とあわせて活用することで、新たな問題点やメリットがみえてくると思いますので、それらを改善していくことで、もっとうまく活用できるようになるのでは、と考えています。

 

メンタルの不調や労働時間の管理。テレワーク導入で見えてきた課題とは?

―テレワーク化によって生じた課題があれば教えてください。また課題の解消にむけてどのようなことをされていますか?

 1点目はメンタルヘルス不調者の対策です。
 メンタルヘルス対策についてはマネジメント層からの意見も含め、孤独感や健康状態に課題があることが分かっており、改善策として、個人でセルフケアができる環境づくりと組織マネジメントの強化を実施しています。
 個人に向けては、保健師相談の相談窓口を明確化し定期的に周知を行ったり、心身の健康やセルフケアなどに関する情報発信や、コミュニケーション施策として社長をはじめ経営層と従業員が対話できる場としてオンラインバーなども開催しています。
 管理職に向けては、オンラインの場合のマネジメント実施方法の研修や、ストレスチェックの結果から自部門の課題を把握するための研修などを行っています。
 また、2020年度の新入社員は、オフィスに出社して仕事を行うことがなかなかできないため、交流の場を持つ必要があると考え、定期的にオンラインによる懇親会を実施するなどのフォロー対策も行っています。
 2点目は新しい働き方によって出てきた、労働時間の適正化対策です。自宅でいつでも仕事ができるため、自分で働く時間を管理しなければ長時間労働に繋がってしまいます。また、テレワークにより通勤がなくなったことやスーパーフレックスで勤務時間の調整ができるようになったことで、休暇をとらなくても自身のやりたいことができる時間が増え、年次有給休暇の消化率が下がってきています。
 解消策としては、毎月の残業時間の推移や、年次有給休暇の取得状況をチェックして、該当者とその上長にアラートメールを送っています。また、上長が部下の労働時間が把握しやすくなるシステムも導入しています。

―このような課題はどのように吸い上げているのですか?

 定期的な調査として全従業員対象で昨年7月にテレワークの勤務状況の現状把握と課題把握のための調査を行い、また、1月のストレスチェックの中にテレワークに関する設問も追加するなどして、心身の不調とテレワークの関連性の分析ができるように取り組んでいます。

―テレワーク移行後に従業員から要望や不満などはあがりましたか?

 ワーケーションや外国籍の社員からの海外でのテレワークの要望はありますが、それに伴うリスクや効果を考えて、慎重に検討して取り組んでいかなければならないと思っています。

 

迅速なテレワーク移行のポイントは、経営層と従業員が足並みを揃えること!

―社会的にテレワーク化がすすまない企業が多いと言われていますが、当社がスムーズに移行できた理由とは何だと思いますか?

 テレワーク制度導入に対する経営層の強い意向があったことと、2020年7月にテレワークの勤務状況の実態把握のための調査を実施し、調査結果からテレワーク制度導入に関する影響や、課題、メリットなどをデータで把握し経営層に提案できたことがポイントだったと感じています。
 また、テレワーク移行に向けて、現場のなかで業務の見直しを実施できていたからこそ、スピード感をもって対応できたのではないかと思います。

―テレワーク制導入を考えている企業に対してアドバイスがあれば教えてください。

 テレワークが自社にとってどのような影響があるのかは、その会社の事業や仕事内容によって違い、一概に上手くいく方法はないのかもしれません。
 全社規模で急に取り入れることは難しいと思うので、最初は協力してくれる部門などを募り、実験的に取り組んだ結果のデータから、課題やメリットを探って成功事例をつくる。そして定期的に経営層に報告するなど、地道な活動を積み重ねて導入をすすめていくことが望ましいのではないでしょうか。

『2020エムティーアイ健康白書』公開

 10月13日(火)に当社の健康経営についての取組みをまとめた『2020エムティーアイ健康白書』を公開しました。  当社では、女性の健康情報サービス『ルナルナ』をはじめとして、健康保険組合の特定保健指導の実施率向上をサポートするサービス『健保向けCARADAパック』など、個人・法人問わずさまざまなヘルスケアサービスを運営する企業として、サービスを提供する従業員自らの健康意識の向上、健康維持・増進が重要であると考え、さまざまな取組みを実施しています。  それらの取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020~ホワイト500~」の大規模法人部門において、特に優良な健康経営を実践している企業として3年連続認定を受けました。  今後も引き続き従業員の健康維持・増進を重要な経営課題とし、従業員が心身ともに健康で働きやすい職場づくりに注力し生産性を高めることで、企業価値の向上を目指します。     ※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。 ※CARADAは、株式会社エムティーアイが所有し又は使用権を有する商標または登録商標です。   「2020エムティーアイ健康白書」PDFはこちらから

 10月13日(火)に当社の健康経営についての取組みをまとめた『2020エムティーアイ健康白書』を公開しました。

 当社では、女性の健康情報サービス『ルナルナ』をはじめとして、健康保険組合の特定保健指導の実施率向上をサポートするサービス『健保向けCARADAパック』など、個人・法人問わずさまざまなヘルスケアサービスを運営する企業として、サービスを提供する従業員自らの健康意識の向上、健康維持・増進が重要であると考え、さまざまな取組みを実施しています。
 それらの取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020~ホワイト500~」の大規模法人部門において、特に優良な健康経営を実践している企業として3年連続認定を受けました。
 今後も引き続き従業員の健康維持・増進を重要な経営課題とし、従業員が心身ともに健康で働きやすい職場づくりに注力し生産性を高めることで、企業価値の向上を目指します。

 

 

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

※CARADAは、株式会社エムティーアイが所有し又は使用権を有する商標または登録商標です。

 

PDF「2020エムティーアイ健康白書」PDFはこちらから

『2019エムティーアイ健康白書』公開

 10月4日(金)に当社の健康経営についての取組みをまとめた『2019エムティーアイ健康白書』を公開しました。  当社では、女性の健康情報サービス『ルナルナ』をはじめとして、健康保険組合の特定保健指導の実施率向上をサポートするサービス『健保向けCARADAパック』など、個人・法人問わずさまざまなヘルスケアサービスを運営する企業として、サービスを提供する従業員自らの健康意識の向上、健康維持・増進が重要であると考え、さまざまな取組みを実施しています。 それらの取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」の大規模法人部門において、特に優良な健康経営を実践している企業として2年連続認定を受けました。 今後も引き続き従業員の健康維持・増進を重要な経営課題とし、従業員が心身ともに健康で働きやすい職場づくりに注力し生産性を高めることで、企業価値の向上を目指します。     ※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。 ※CARADAは、株式会社エムティーアイが所有し又は使用権を有する商標または登録商標です。   「2019エムティーアイ健康白書」PDFはこちらから

 10月4日(金)に当社の健康経営についての取組みをまとめた『2019エムティーアイ健康白書』を公開しました。20191004_mti_whitepaper

 当社では、女性の健康情報サービス『ルナルナ』をはじめとして、健康保険組合の特定保健指導の実施率向上をサポートするサービス『健保向けCARADAパック』など、個人・法人問わずさまざまなヘルスケアサービスを運営する企業として、サービスを提供する従業員自らの健康意識の向上、健康維持・増進が重要であると考え、さまざまな取組みを実施しています。
 それらの取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」の大規模法人部門において、特に優良な健康経営を実践している企業として2年連続認定を受けました。
 今後も引き続き従業員の健康維持・増進を重要な経営課題とし、従業員が心身ともに健康で働きやすい職場づくりに注力し生産性を高めることで、企業価値の向上を目指します。

 

 

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

※CARADAは、株式会社エムティーアイが所有し又は使用権を有する商標または登録商標です。

 

PDF「2019エムティーアイ健康白書」PDFはこちらから

“制度を使って何を実現するか?” 「育休取得したパパ社員」「取らずに支えるパパ社員」それぞれの家事・育児スタイル

 厚生労働省の調査※で育児休業取得者の割合は、女性が82.2%、男性は6.16%と男女間で数値に大きな開きがあります。また、育休を取得した男性の取得日数は「5日未満」が最も多く、育児休業取得者の約8割が1カ月未満の取得にとどまっており、育児の負担が主に女性に偏っていることが伺えます。 育児休業制度を取得した男性社員を紹介する企画の第二回目は、第一子の誕生にあたり1カ月の育児休業を取得した社員のインタビューとともに、育休は取得しなかったものの家事・育児を精力的に担っている男性社員たちの対談を通じて、育休取得にとどまらず夫婦で家事・育児負担の分散を実現しているケースを紹介します。 ※出典:平成30年度雇用均等基本調査(速報版)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05049.html   Profile 育休取得者:大西浩二 2011年に中途入社。『music.jp』のシステムやフィンテック関連の開発を担い、現在はスマートコンテンツ事業部にてヘルスケア関連の開発を中心に担当。約1年半の不妊治療を経て2019年3月に待望の第一子の女児が生まれ、1カ月の育休を取得。 生まれた後の生活をイメージして育休取得期間は1カ月に 育休取得を検討した時期と、取得期間の決め方について教えてください  妻の妊娠がわかってから育休の取得を検討しはじめました。当初、どれくらいの期間取れば良いのか見当がつかなかったのですが、出産後の生活を妻とイメージしながら取得期間を考えていました。 また、夜に子どもが寝てくれず、睡眠時間が確保できないことを考えると不安がありました。その状況で私が仕事に行き、妻がワンオペで家事・育児をするのは、精神的にも体力的にも難しいだろうと夫婦で共通の認識を持っていたので「どれくらいの月齢からまとまった時間寝てくれるか」を調べました。2カ月頃から子どもが寝る時間が長くなってくる場合が多いと分かったので、取得期間は1カ月検診の頃までと決めました。 育休期間は状況に応じて延長ができると聞いていたので、1カ月取ってみて、復帰が難しければ延長を検討したいと事前にチームメンバーにも共有していました。   育休取得はいつ頃打診しましたか?  出産予定日の3カ月~4カ月前に上長に打診しました。 私たち夫婦は不妊治療をしており、治療のためにお休みすることがありました。何度も休むと「体調不良なのか?」とチームメンバーに心配をかけてしまうと思い、治療のために休んでいることは伝えていました。 そのため、安定期に入ってすぐにチームメンバーには妻が妊娠中であること伝えました。   “不安は全くなし!”...

20190821_pickup_1

 厚生労働省の調査※で育児休業取得者の割合は、女性が82.2%、男性は6.16%と男女間で数値に大きな開きがあります。また、育休を取得した男性の取得日数は「5日未満」が最も多く、育児休業取得者の約8割が1カ月未満の取得にとどまっており、育児の負担が主に女性に偏っていることが伺えます。
 育児休業制度を取得した男性社員を紹介する企画の第二回目は、第一子の誕生にあたり1カ月の育児休業を取得した社員のインタビューとともに、育休は取得しなかったものの家事・育児を精力的に担っている男性社員たちの対談を通じて、育休取得にとどまらず夫婦で家事・育児負担の分散を実現しているケースを紹介します。

※出典:平成30年度雇用均等基本調査(速報版)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05049.html

 

Profile

育休取得者:大西浩二

2011年に中途入社。『music.jp』のシステムやフィンテック関連の開発を担い、現在はスマートコンテンツ事業部にてヘルスケア関連の開発を中心に担当。
約1年半の不妊治療を経て2019年3月に待望の第一子の女児が生まれ、1カ月の育休を取得。

生まれた後の生活をイメージして育休取得期間は1カ月に

育休取得を検討した時期と、取得期間の決め方について教えてください

 妻の妊娠がわかってから育休の取得を検討しはじめました。当初、どれくらいの期間取れば良いのか見当がつかなかったのですが、出産後の生活を妻とイメージしながら取得期間を考えていました。
 また、夜に子どもが寝てくれず、睡眠時間が確保できないことを考えると不安がありました。その状況で私が仕事に行き、妻がワンオペで家事・育児をするのは、精神的にも体力的にも難しいだろうと夫婦で共通の認識を持っていたので「どれくらいの月齢からまとまった時間寝てくれるか」を調べました。2カ月頃から子どもが寝る時間が長くなってくる場合が多いと分かったので、取得期間は1カ月検診の頃までと決めました。
 育休期間は状況に応じて延長ができると聞いていたので、1カ月取ってみて、復帰が難しければ延長を検討したいと事前にチームメンバーにも共有していました。

 

育休取得はいつ頃打診しましたか?

 出産予定日の3カ月~4カ月前に上長に打診しました。
 私たち夫婦は不妊治療をしており、治療のためにお休みすることがありました。何度も休むと「体調不良なのか?」とチームメンバーに心配をかけてしまうと思い、治療のために休んでいることは伝えていました。
 そのため、安定期に入ってすぐにチームメンバーには妻が妊娠中であること伝えました。

 

“不安は全くなし!” チームの強力なサポートに感謝

育休取得にあたり、不安に思うことはありましたか?

 私自身、不安は全くと言っていいほどありませんでした。
 育休を取得したいと上長に申し出た際はとても応援してくれ、数カ月前から業務の負荷を調整してくれました。そのおかげで、育休に入る約1カ月前には引継ぎが発生するような業務はほぼ手元にない状態だったのです。
 またチームのメンバー全員から「育休取った方が良いよ!」と後押しされ、国内外への出張もすべて引き受けてくれるほど強力にサポートしてくれました。おかげさまで、出産間近の妻をサポートすることもできました。

  しかし、妻は「生まれてくる子どもをうまく育てていけるのか?」という漠然とした不安があったようです。育休取得するにあたり、妻には「不安に思うことはお互いにきちんと話をしよう」と伝えました。
 不安や要望は、きちんと相手に伝えて都度対応していこうと夫婦で決めて育休をスタートさせたので、育休取得前よりも子どもが生まれてからの方が良く話し合うようになりましたね。

 

チームメンバーから受けて嬉しかった言葉やサポートはありますか?

 育休中に、チームからサプライズでプレゼントが届き、とても嬉しかったです。私の育休中の様子や、プレゼントされたよだれかけを着けた子どもの写真をメールで送るなど、休暇中もコミュニケーションを取っていたので、復帰後の不安もありませんでした。
 チーム全体として育休取得をサポートしてもらえる風土があり、大変ありがたかったです。

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夫婦独自の育児タイムスケジュール「早番」「夜勤」制が誕生!

育休中はどのように過ごしていましたか?

 育休中に「早番」と「夜勤」のサイクルが生まれ、2つタイムスケジュールができました。笑

 「早番」の人は夜8時に寝て、朝3時に起き、起きて子どものお世話をしていた「夜勤」の人とバトンタッチします。「夜勤」の人は朝3時から9時頃まで寝ます。

・「早番」の日のスケジュール

 

AM3:00 起床 ミルクを飲ませる

寝かしつけ

AM6:00 ミルクを飲ませる

寝かしつけ

AM8:30~

朝ご飯をつくる 妻が起きてくる

AM9:00

夫婦で朝ご飯を食べる ミルクを飲ませる

家事全般をこなす

PM12:00

お昼ご飯をつくり、夫婦で食べる

PM12:00~PM3:00

家事 買い物

PM4:00

沐浴

夕食の準備

PM6:00

夕食

夫婦交代でお風呂に入る

PM8:00~AM3:00

就寝

 

「早番」「夜勤」のタイムスケジュールはどのように決まっていったのでしょうか?

 話し合いなどはとくにせず、家事・育児をやっていくなかで自然と「早番」と「夜勤」のタイムスケジュールが作られていきました。
 妻が、子どものミルク、睡眠、排せつ、お風呂などを記録したいというのでアプリでの管理を取り入れており、記録することでミルクを飲む時間や、寝るタイミングが徐々につかめてきた結果、自然とサイクルが決まりました。
 「早番」「夜勤」の交代をするときには記録したデータを見ながら引継ぎをしていましたよ!笑 データをもとに、次のミルクの時間や子どもの体調にも注意を向けられました。
 また、そうしているうちに、当初の見通し通り1カ月を過ぎたあたりからまとまった時間寝てくれるようになっていることに気が付きました。そのような変化を知ることができたのも記録を取っていて良かったことの一つです。

 

奥様と協力しスムーズに家事・育児をされていたようですが、秘訣を教えてください。

 育休に入るにあたり話し合っていた「不満や不安を伝える」ことをお互いに意識して実行していたのが良かったと思います。不満や不安を隠したまま溜め込むのではなく伝えることで、これからどうするべきか?と前向きに話ができました。

 

奥様と家事・育児をどのように分担していたのでしょうか?

 育休に入る前には育休中の家事・育児の分担を決めていませんでしたが、育休に入ってすぐ妻から「家事全般を担当してほしい」と要望があり、お互いの役割が決まりました。妻にこだわりがある家事を除き、ほぼすべての家事を私が担当していました。
 妻は出産後の身体へのダメージが大きかったことから、産後すぐは身体の不調を訴えていたので、自分が家事を担当し、妻には娘を見る役割を担ってもらいました。
 育休前まではほとんど家事に参加できておらず、家事の内容やその方法もわからなかったので、妻にやり方を書いてもらった付箋を壁に貼り付け、タスク管理の要領で家事を行っていました。慣れてくると、なるべく時短でできるよう考えて実行していました。

 

一番大変だった「料理」は“ある意味ソフトウェア開発”!?

育休を取ってみて意識が変わったことはありますか?

 育休を経験して、意識はかなり変わりましたね。改めて家事を担当してみると「こんなにやることがあったのか!」と驚きました。
 その中でも「料理」がとても辛く、料理を作ることはある意味ソフトウェア開発のようだなと感じました。
 自分の持っているスキルや知識と、冷蔵庫内のリソース(材料)、スーパーからのお惣菜などの外注品…すべて組み合わせて献立を考えて、さらに成果物である料理の品質をどう上げていくのか考える。
 料理を1品作るのであれば比較的簡単にできると思いますが、すべてを考慮して食事の献立を考えるのはとても大変でした。この大変さに気づいた時、いつもたくさんの料理を作ってくれていた妻への感謝はひとしおでした。笑
 また、料理は苦手ですが、育児でなかなか外出できない妻が少しでも気分転換でき、喜んでくれたら…という思いで初めてお菓子作りにも挑戦し、チーズケーキを作りました。育休から復帰した今も継続して朝ご飯は私が作るようになったのですが、育休前では考えられませんでした。今日も作ってきましたよ!

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写真:育休中に作ったチーズケーキ

 

仕事に復帰した今、育休を振り返ってどんな思いがありますか?

 育休を取って本当に良かったですし、他の人にも強くお勧めしたいです。
 今は、朝の子どもが起きているときくらいしか娘の成長を見られるときがありません。「首が座った」「おしゃぶりができるようになった」など成長をその場で見ることができないのが寂しくて…。育休中は毎日娘の成長を妻と一緒に共有できたのがとても良かったです。
 また、育休を取ったからこそ妻と同じタイミングで育児のスタートラインに立ち、娘のお世話は不安なくできるようになりました。そのおかげで、今は娘と二人きりでのお出かけもできますし、妻が一人で出かける際にも自信をもって「いってらっしゃい」と送り出せます。
 もし妻主導で育児が進み、何もかも聞かないとわからない状態になっていたら、妻にも信用されなくなってしまうと思います。そういう意味でも育休を取って良かったと思っています。
 育休期間は1カ月でいいだろうと思っていましたが実際に1カ月で復帰してみると、復帰後しばらくは妻が辛そうでした。その姿を見ると、1カ月は短かったかな…と思います。もし次に育休を取るタイミングがあれば絶対に3カ月取ろう!と考えています。
 現在、子どもは5カ月目ですが、よく寝てくれているので私も妻も夜はぐっすり眠れています。夫婦で密かに「よく寝る子に育ってほしい」と目標を持っていたのですが、無事に達成できました。笑

 

「育休」以外で積極的に家事・育児を行うパパ社員

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 父親側が育休を取ることで母親の負担を減らすことができますが、一方で育休から復帰した後に仕事をしながら家事・育児まで行うことに難しさを感じる男性も多いのではないでしょうか。
 育休を取得した大西と、育休は取っていないものの家事・育児を積極的に行って家庭を支える2名の男性社員で、「育休」だけにとどまらない家庭への貢献方法について座談会形式で話し合ってもらいました。

Profile

育休取得者:大西浩二(写真:左)

5カ月の女児の父。妻の出産直後から1カ月間の育休を取得。

 

育休未取得者:川上貴士(写真:中央)

5歳と1歳の男児の父。出産前後に1週間程度の有給を取得。

 

育休未取得者:竹内浩晃(写真:右)

2歳の女児の父。退院後のタイミングで1週間程度の有給を取得。

 

家事・育児の理想を高く設定しすぎないのがポイント

川上さん、竹内さんのご家庭の状況や家事・育児をどのように行っているか教えてください

 

竹内:2歳の娘がおり、妻もフルタイムで働いています。私も妻も出身が関西方面のため両親からのサポートを日常的に受けるのは難しい状況です。家事・育児はおよそ5:5で行うようにしています。

 

川上:5歳と1歳の男の子がおり、妻は専業主婦です。家事・育児は担当を決めずに出来る方が行うという方法で進めています。家庭がうまく回っているのは、夫婦ともに家事に求めるレベルが高くなく、できる範囲で行っているからだと思います。

 

竹内・大西:うちも同じです!

 

川上:ある意味「手抜き」や「諦める」ということも重要なのかもしれません。笑 とはいえ、土日の朝・夜など自分が家にいられる時はほとんどの時間を家事・育児に費やしています。自分ができる時には半々以上の家事・育児を担おうという意識でやっています。

 

大西・竹内:おぉ~すごい…!!

 

竹内:私の場合、産休中は妻がほとんど家事をしてくれていましたが、妻が育休から仕事に復帰した頃から段々と積極的に行うようになっていきました。どちらかが家事をしなければ家庭が立ち行かないですし、一方が子どもを見ている間にもう一方の人が家事を行うようにしています。また、妻が仕事で遅くなる日は、私がフレックスタイム制※を使って早めに保育園にお迎えに行くなど、夫婦で連携して仕事と家庭生活を乗り切っています。

※予め定められた1カ月の総労働時間の枠内で各日の始業及び終業時刻を柔軟に調整できる制度

 

大西:すごいですね!私は育休から復帰した後は思うように家事・育児ができていないです…。

 

竹内:妻が育休の期間中もできる限り早めに帰宅するようにして、お風呂に入れるのは私も積極的に担当していました。お風呂に入れる時が唯一子どもと二人の時間だったので、大切にしたいなと思っていました。

 

大西:同感です!私も子どものお風呂はほぼ毎日担当していて、楽しみな時間です。

 

竹内:はじめは仕事で会えない時間を寂しく感じていたのですが、最近は娘が保育園で覚えてきた言葉を話してくれたりして、日々新しい発見があり楽しいです。

 

川上:うちは昨年次男が生まれたのですが1年ほど夜泣きがありました。夜泣き対策として妻と毎晩交互に次男の世話を担当するようにして乗り切りました。

 

竹内:寝室を分けて寝ていたということですか?

 

川上:はい。寝室を分けて、妻も朝までぐっすり眠れる日を作るようにしていましたよ。フルタイムで仕事をしながら夜通しの育児はかなり大変でしたが、頑張りました。

 

家事負担の軽減を重視した住まい選び

みなさん適度に肩の力を抜いて家事・育児を乗り切っているとのことですが、どのように工夫していますか?

川上:例えば洗濯物は畳まず、丸めて服用の入れ物にダンクシュート!でしまって、靴下などは使う時に揃えるようにしています。スーツではなく普段着で仕事をしているので、アイロンがけも不要で、もはや干してある服をハンガーから直接取って着ることもあります。

 

大西:実はうちも家事の中で夫婦ともに洗濯物を畳むのが嫌いでした。転居のタイミングで夫婦それぞれにウォークインクローゼットが持てる間取りの家を選び、干したものをそのままクローゼットにしまえるようにして嫌いな家事をやらずに済むようにしました。

 

竹内:うちはドラム式洗濯乾燥機を導入して、時短を図っています。さらに洗濯物を干す作業は量が多いと手間がかかるし、運ぶのが重いということを考慮して、家を建てる際に浴室を広めにして浴室乾燥機を付け、近くに洗濯機の置き場を作るなど負担軽減を実現するための間取りを考えました。

 

川上:育児に関して、うちは二人目で要領も掴めてきていたというのもあり、いい意味で「手抜き」ができるようになりました。
 子どもは1人1人違うので、世間一般の「育児マニュアル」的なものに当てはめようとしてもうまくいかないこともありました。例えば“粉ミルクの正しい作り方”や“夜はこれくらい寝る”等、育児マニュアルに合わせようとしても合わないことがあります。そういう時、お母さんはマニュアル通りにいかない、できないことで自分を責めて精神的に追い詰められてしまうこともあります。
 妻も、子育てがマニュアル通りにいかないことに悩んでいた時期があったのですが、夫婦で話し合って「手抜き」を許容していこうという方針になりました。

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大西:川上さんも竹内さんも家事・育児に積極的ですが、育休を取らなかったのはなぜですか?

 

竹内:出産後1カ月ほどは妻の母がサポートしてくれる予定だったので育休取得は考えていませんでした。育休という形ではありませんが、妻の退院直後に1週間ほど休みを取りました。やはり出産後は妻の体調が不安定ですし、サポートする必要がありました。

 

川上:うちも私の母がサポートに来てくれることになっていたので、一人目の時も二人目の時も出産前後に1週間程度休みを取った後は、母に任せようと思いました。

そもそも数カ月単位の期間育休が取れるということを認識していなかったのも理由の一つです。

 

大西:たしかに認識していないというのはありますね…。私も育休が取れるのか?ということから人事に聞きました!申請のフォーマットも男女兼用なのですが、記入内容がどちらかといえば女性向けで戸惑いました。

 

仕事と家庭を両立するために必要なこととは?

男性がもっと育休を取りやすくなるために必要なことは何でしょう?

川上:実際に育休を取った人が「どんな障壁を感じたのか」という点がわかるといいですね。

 

大西:障壁か…私の場合、障壁らしい障壁はなかったのですが、どうやって育休を取ればいいのかフローを知らなかったので、情報を探すことから始めました。また、取った後に給与面はどうなるかなどの情報も欲しかったです。育休中は会社ではなく会社が加入する健保から給付金が支払われるなど、複雑でわかりにくかったので育休を取る前と後のわかりやすいフローがあると良いです。

 

竹内:私も育休に関する資料を見たのですが、書いてあることが難しくてわかりにくかったです。

 

川上:普段使わない制度の話となると、難しい言葉を使っていたり、イメージしにくいというのもあり、資料の解読自体が難しいですよね。笑 手っ取り早く制度を使ったことのある人に聞きたくなります。

 

大西:私も育休取得前は、先に取っていた男性社員に色々と聞きました。制度を使う時に、利用経験がある人を紹介してもらえると嬉しいです。

 

川上:本当は育休を取りたかったのに取れなかった、という人は実際どれくらいいるのでしょうね…?育休を「取らない人」と「取れない人」ではそれぞれ課題が違いますよね。
 「取れない人」の中には、業務の調整がつかない人や健保からの給付金が給与の約7割になってしまうことで金銭的に難しい人もいると思います。取れない理由を要素分解してみると、育休取得にあたっての課題がわかりやすいのではないでしょうか。

 

大西:今後もっと育休を取りやすくするためにも現状・課題の可視化ができるといいですね。

 

竹内:エムティーアイは会社として子育てに理解があり、同僚も理解があって働きやすいです。育休に限らず、どのような選択肢があるのかわかると良いと思います。

 

大西:確かに選択肢を知らないとその制度を使うに至らないですよね。

 

川上:各家庭で状況も目指すゴールも違うと思います。まずは会社が用意している制度の選択肢を知り、それらを使って何を実現できるか個々人が考えることが仕事と家庭を両立していくために重要な第一歩なのではないでしょうか。

“男性がもっと気軽に育休を取れる世の中になるといい” 育休取得者とその上司、双方が考える「男性の育休」とは

 エムティーアイでは社員の育児休業(以下、「育休」)後の復職率が97.4%(2013年10月~2018年9月実績)となっており、男女問わず社員が育休を取得できる環境が整っています。  2019年6月に自民党の有志が男性の育休「義務化」を目指す議員連盟を発足させるなど、男性の育休取得率向上を目指す気運が高まっており、当社でも女性社員はもちろん男性社員の育休取得が広まりつつあります。  今回は、最近注目を集めている「男性の育休取得」に焦点をあて、取得した男性社員と、社員の上司にあたるマネージャーにインタビューを行い、それぞれの経験について紹介します。   Profile 育休取得者:潮見 渚 2012年に新卒で開発職として入社。社内システムや広告配信システムの構築、オフショア開発のブリッジなど様々な開発業務に携わる。直近はエムティーアイの子会社である株式会社メディアーノに出向し、その日の天気に合わせて最適なコーディネートを提案するアプリ『おしゃれ天気』のサーバ周辺の開発を担当。  家庭では今年度幼稚園に入園した長女と2019年1月に生まれた次女の父。妻は第二子妊娠を機に職場を退職し、現在は家庭に専念している。  2019年1月中旬から4月末までのおよそ3カ月半、育休を取得。   マネージャー:石井 桂子 2009年に開発職として入社。社内システムを中心にバックエンドの開発からアプリ・WEBサイトの開発まで幅広い案件に携わる。2014年に株式会社メディアーノに出向し、現在5名のエンジニアを束ねるマネージャーとしてチームを率いる。   (株)メディアーノはエムティーアイの100%子会社です 初めての育休取得は期間変更や早産でバタバタのスタートに   育休取得はいつ頃から検討し始めたのでしょうか?    育休を取る半年前頃に妻と、「長女の面倒を見ながら二人目の育児を行うのは大変だよね」「育休取れたらいいね」という軽い感じで話をし始めました。...

潮見さん①

 エムティーアイでは社員の育児休業(以下、「育休」)後の復職率が97.4%(2013年10月~2018年9月実績)となっており、男女問わず社員が育休を取得できる環境が整っています。

 2019年6月に自民党の有志が男性の育休「義務化」を目指す議員連盟を発足させるなど、男性の育休取得率向上を目指す気運が高まっており、当社でも女性社員はもちろん男性社員の育休取得が広まりつつあります。

 今回は、最近注目を集めている「男性の育休取得」に焦点をあて、取得した男性社員と、社員の上司にあたるマネージャーにインタビューを行い、それぞれの経験について紹介します。

 

Profile

育休取得者:潮見 渚

2012年に新卒で開発職として入社。社内システムや広告配信システムの構築、オフショア開発のブリッジなど様々な開発業務に携わる。直近はエムティーアイの子会社である株式会社メディアーノに出向し、その日の天気に合わせて最適なコーディネートを提案するアプリ『おしゃれ天気』のサーバ周辺の開発を担当。

 家庭では今年度幼稚園に入園した長女と2019年1月に生まれた次女の父。妻は第二子妊娠を機に職場を退職し、現在は家庭に専念している。

 2019年1月中旬から4月末までのおよそ3カ月半、育休を取得。

 

マネージャー:石井 桂子

2009年に開発職として入社。社内システムを中心にバックエンドの開発からアプリ・WEBサイトの開発まで幅広い案件に携わる。2014年に株式会社メディアーノに出向し、現在5名のエンジニアを束ねるマネージャーとしてチームを率いる。

 

(株)メディアーノはエムティーアイの100%子会社です

初めての育休取得は期間変更や早産でバタバタのスタートに

 

育休取得はいつ頃から検討し始めたのでしょうか?

 

 育休を取る半年前頃に妻と、「長女の面倒を見ながら二人目の育児を行うのは大変だよね」「育休取れたらいいね」という軽い感じで話をし始めました。
 具体的に取得を考え、会社に打診したのは約3カ月前でした。第二子の出産予定日周辺に祖父母(妻の両親)に予定があり、出産直後の心身共にサポートが必要な時期に協力を得ることが難しいことが分かったためです。
 当初、育休取得期間は漠然と1カ月くらいを考えて上長やマネージャーに伝えていましたが、最終的には祖父母のサポートが受けられないこと、また4月に長女の幼稚園入園も重なっていることを考慮して、出産予定日から長女が入園して少し落ち着くであろう4月末までの3カ月育休取得を打診しました。

 

育休取得を打診した際、上長やマネージャーの様子はどのような感じでしたか?

 

 ありがたいことに、「取りな、取りな~」「いいね、頑張っておいで!」という調子で快諾してもらえました。
 当初マネージャーに相談した際、「取得期間は1カ月程度を想定している」と話していたのが最終的に3カ月半になってしまったので、社内の調整は大変だったと思います。もう少し早く打診すればよかったな…と思いました。

 

育休の取得が決まった後、手続きや業務の引継ぎなどスムーズに進みましたか?

 

 手続きは自分自身で行うことは多くなかったため、特に問題はありませんでした。しかし、育休を取る期間が定まってからの準備期間が短かったので、社内の手続きや業務調整を行うマネージャーは大変だったと思います。
 妻の出産予定日の約1カ月に、チームや部署へ育休取得をお知らせしました。
 業務は1カ月くらいで引き継ぎを行いましたが、早産になり、バタバタと休みに入ってしまったので、もう少し余裕をもって業務の引継ぎが始められると良かったと思っています。

 

「女性の育休取得は当たり前、でも男性の場合は…?」と不安があった

 

育休を快諾され、いざ育休を取得することになって考えたことはありますか?

 

 ポジティブな面と、ネガティブな面、両方ありました。
 ポジティブな面では、家族と一緒に過ごせる時間が増え、子供が成長する姿を見られることがとても嬉しかったです。
 普段そこまで残業は多くないのですが、長女が生まれたころは、ちょうど大きなプロジェクトが進行していて、業務が立て込む時期と重なり、毎日退社時間が遅くなっていたので、新生児から2~3カ月頃の成長する姿をなかなか見られませんでした。
 業務が落ち着き、気がついた時には生まれたてホヤホヤの新生児だった長女が人間っぽく成長してしまっていたので、もう少しじっくり成長を見たかったなぁ…という思いもあり、家族そろって子供の成長を見られるのはとても楽しみでした。

 

 一方ネガティブな面だと、エムティーアイでは女性社員が産休・育休を取得し、復帰することは当たり前ですが、男性の場合はどうなるのだろう?という不安がありました。
 社内の雰囲気からして育休取得は可能であろうことは分かっていたので、多少言い出すのにドキドキするくらいでしたが、実際に育休から復帰した後のことを考えると「居場所はあるのか?」「戻った時に仕事はあるのか?」という点が特に不安でしたね。
 また、育休を取得する3カ月半の間は人員が1人減ることになるので、大なり小なり職場のみなさんに迷惑をかけてしまう申し訳なさがありました。
 先にも話をした通り、育休取得期間を1カ月から3カ月半に伸ばしたり、早産だったため育休取得開始時期が早まったりしてチームに負担をかけてしまったと思います。

 

復帰後の不安があったとのことですが、復帰後の働き方に対してイメージはありましたか?

 

 不安はあったものの、普段から残業の多い部署ではないというのもあり、おそらく復帰後も復帰前と仕事のリズムはあまり変わらないだろうとイメージしていました。
 実際、復帰した今も育休取得前と大きくは変わっていません。

 

育休を取る際、ご家族や友人などに相談しましたか?また周りはどのように受け止めていましたか?

 

 私の両親に話した時は、金銭面のことだけ心配されました。笑 両親は、育休中に手当が出ることを知らなかったようです。
 友人の中にはSNSなどで育休取得を報告したりする人もいますが、私はあえて言うほどのことでもないかな…ということで周りにもあまり話していませんでした。
 また、家族と相談した上で、自分自身「なるようになる!何か問題が起こっても都度対応しよう」と覚悟を決めて育休取得することにしたので、育休を取ること自体には不安や焦燥感はなく、誰かに相談することはありませんでした。

 

スムーズな育休取得はチームのサポートがあったからこそ!

 

育休取得前、社内でかけられた言葉で嬉しかったものはありますか?

潮見さん②

 上長もマネージャーも二つ返事で育休を快諾してくれ、男性だからといって特別視されるようなこともなく応援してもらえたのは大変ありがたかったです。
 また、打診がギリギリになってしまったので社内手続きや部内業務の調整は大変だったと思うのですが、大変そうなところもあまり見せずに進めてくれていたと思います。
 今回は育休中の人員補充はなかったので、その間は人員が一人減ってしまうことになりましたが、チームからは「取ってらっしゃい」と温かく送り出してもらいました。
 共に働くチームや部署のみんなで私が抜ける分の穴を埋めるようサポートしてくれたおかげでスムーズに育休に入ることができたので、とても感謝しています。

 

育休期間は想像以上に幸せな時間を過ごせた

 

次に、育休取得中から取得後についても教えてください。育休中は主にどのような役割を担っていたのでしょうか?

 

 育休取得前から妻と話し合い、長女は主に私が見て、妻は次女の育児に専念するというおおよその分担は決まっていたので、スムーズに家庭に入れました。
 私は料理が苦手なので、食事の用意は妻がすべて行ってくれていました。料理以外の家事と長女の面倒を見るのが主な役割でした。

 

▼育休中の大まかなスケジュール

7:00

 起床し、長女の身支度などを済ませる

8:00

長女に朝ごはんを食べさせる

9:00

 長女と遊ぶ

 この間に、妻が昼ごはんの準備

11:00

 長女に昼ごはんを食べさせる

12:00

 長女とあそぶ

14:00

 長女におやつを食べさせる

15:00

 長女と遊ぶ

 夕方の時間帯は次女の寝かしつけをする

 妻はこの時間に夕食の準備

17:00

 夜ごはんを食べる

18:00

 長女とお風呂に入る

 寝る準備

20:00

 長女の寝かしつけ

21:00~翌朝

 次女の育児サポート

 ※長女が寝てからは自分の時間も少し取れる

 

すべての時間帯で長女の世話だけでなく、次女のおむつ替えなどもしていましたが、次女のサポートは3:7くらいの割合で妻がメインに行っていました。

 

実際に育休を取得し、家族のサポートを行ってみてわかったことはありますか?どのようなことを考えましたか?

 

 実際に家族と過ごしてみて、想像以上に毎日楽しかったし、とても幸せな時間でした。
 生まれたての次女の成長を毎日見られたことはもちろん、長女がだんだん「お姉さん」として次女にやさしく接している姿を見るのも嬉しかったです。長女は少し人見知りのところがあるので幼稚園に入園してうまくやっていけるか心配していたのですが、一人で集団の中に入っていく姿に、すごく成長を感じました。

 

男性も、もっと気軽に育休が取れる世の中になると良い

 

 二人の育児に携わってみると、妻一人だけで二人の子供の面倒を見ることはかなり難しかっただろうと実感しました。
 次女が生まれて、軽度ではありますが長女が赤ちゃん返りしていました。また、はじめは良い子にしていた長女も1~2カ月経つ頃には、毎日パパがいる状況にも慣れてきて、わがままを言うようにもなってきます。笑
 いつもは自分でごはんを食べている長女が「食べさせてくれないとイヤ!」と言うので、ごはんを食べさせてあげるだけで1時間以上経ってしまう感じで一日があっという間に過ぎていきました。
 このような状況の中、妻一人で長女の世話をしながら次女の育児もするのは難しかったと思うので、私がサポートに入ったことで多少なりとも妻の負担を軽減することができて良かったです。
 育休を取って家族で過ごした時間は、思った以上に幸せなものでした。
 男性も育休が取れるということは知っていたものの、事例が少ないというのもあり「実際に認められるのか?」と半信半疑な部分はありましたが、取ってみて本当に良かったです。
 人それぞれ考え方がありますし、「仕事を中心に生きたい」という明確な意思があるのであれば話は別ですが、少しでも家庭や育児に携わりたい気持ちがあるならば、他の男性社員も育休取得を前向きに検討することをお勧めしたいです。
 また、社内はもちろん、社会全体的に男性がもっと気軽に育休を取得できる世の中になっていくと良いなと思いました。

家族写真_加工済み

育休取得に対する妻からのコメント

 一人目のときの出産直後はとても大変だったため、次女の出産後に長女を十分にケアすることは難しいと考え、産後から長女が幼稚園に入ってペースがつかめる4月末まで育児休業を取得してもらいました。
 夫が長女のケアをしてくれたからこそ、長女も心に余裕をもって新しい家族である次女を迎え入れて可愛がることができたのではないかと思います。とてもありがたかったです。
 また、兄弟姉妹がいるとなにかと後回しになってしまう下の子のケアも、人手が足りていることで待たせることなく対応できたので、無駄に泣かせることもなく、母子ともに和やかに過ごすことができました。
 今回は二人目の出産で育休を取得してもらいましたが、なにもかもはじめてで辛かった一人目のときにも夫のサポートが欲しかったな…と思います。
 男性も育休を取得することで、育児に対するお互いの負担を軽減するだけでなく、日々めまぐるしく変化する赤ちゃんとかけがえのない時間を過ごせる貴重な時間になると思います。

 

 

続いて、チームのマネージャーである石井から育休取得にあたって行ったこと、協力体制の構築などマネジメントの立場から見た男性の育休取得について話を聞きました。

 

石井さん潮見さん_修正

覚悟を決めて受け入れた育休期間の変更、部署をあげてのフォローアップ

 

まずは育休取得を打診された際、どのようなことを考えましたか?

 

 育休取得の数カ月前に初めて育休取得について相談を受けました。その際、育休の取得期間の希望は1カ月ということで相談を受けていたので、1カ月であれば業務調整をすれば問題ないだろうと考えていました。
 しかし、取得予定の1カ半前くらいのタイミングで、やはり期間を3カ月に変更したいと打診を受けました。その時に「人員どうしよう?」「業務調整だけで大丈夫か?」という課題が頭に浮かんだものの、部署としても私個人としても希望通りに育休取得してもらいたいと考えていたので、どうにかしてサポートしようという気持ちでした。
 育休まで時間が無い中で急に人員を補充するというのも難しかったため、マネジメント側としては、「3カ月どうにかして乗り切ろう!」と覚悟を決めました。

 

当初の想定より長くなった育休期間はどのようなフォロー体制を構築していたのでしょうか?

 

 サービスの企画側から出てくる開発側への要望や要求の中には、普段、潮見さんが担当する領域のものもありましたが、その領域で対応できない分、他の領域に手を入れることで要望を形にできるように対応してクオリティを担保しました。
 具体的に言うと、潮見さんは『おしゃれ天気』というアプリのサーバ周りの開発を担当していたのですが、通常サーバ周りの開発で対応することをアプリ側の開発で対応することで、企画側が実現したいことを実現できるようにしました。※
 普段からどうすれば要望を実現できるか、その時々で実現可能な方法を検討して対応する方針で業務を進めているので、潮見さんがいない期間の特別対応ということではなく、普段業務を進める上で積み重ねてきたものがベースにあったからこそ、普段の延長線上で違和感なく対応ができたと思います。

 

※サーバ側とアプリ側それぞれに専門性をもつ開発者がおり、担当が分かれています。

 

人員が少なくなった分、チーム内で負荷がかかる人もいたのでしょうか?

 

 なるべく業務調整を行って、特定の人員に負荷がかかる状態にならないようにしました。
 私自身、業務調整によって担当する領域が増えたということもありマルチタスク感はあったものの、大幅に労働時間が増えることもありませんでした。
 また、業務が多岐にわたっていることを周りの人も理解し、企画側も開発側も協力してくれていたおかげで、大変さはあまり感じませんでした。

 

それでは、育休を取ることによってチームとして困ったことはあまりなかったということでしょうか?

 

 業務上はさほど困ることはありませんでした。
 しかし私自身、今回初めてチーム内で育休を取る人に対応することになり、初めてのことが多かったので戸惑うこともありました。例えば期初に立てた目標に対する達成度の評価など、事前に育休取得期間を考慮していなかったことへの対応です。
 育休取得期間が急遽変更になったり、取得開始時期が早まったこともあり、細かい部分で十分に詰め切れなかったので、もう少し早くから休む期間を考慮した対応を始められていればよかったなと思います。

 

育休を取りやすくするために大切なことは「普段からみんなで助け合う環境づくり」

 

今後、社員がもっと育休を取りやすくなるためには何が大切ですか?

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 今回の潮見さんの育休期間を振り返ってみると、3つ良い点があったと思います。
 1つ目は、個人が持つノウハウや普段の業務の進め方をチーム内で使っているバックログなどのツールに資料として残していたことです。潮見さんがいない間も、その情報を見て他の人が対応することができていました。

 

 2つ目は、普段から課題に対してトライ&エラーをくり返しながら自分のできることを積み上げて、実現していく土壌ができていたことです。
 私たちはM&Aを経て、もともとは他社が運営していたサービスを多く扱っています。人が作ったサービスに対して、どうやって自分たちがやりたいことを実現するか、課題に対してチャレンジしていかなければならない状況もあり、普段からチームのメンバーが個々人の能力をいかして、課題解決に向き合っています。
 そのため、人が抜けることにより今までやったことのない領域の課題や要望に対峙しなければならない場合にも、フットワーク軽く対応することができたのだと思います。

 

 そして最後に、普段から企画と開発が密にコミュニケーションが取れていて、部署全体として協力しあう雰囲気が醸成されていたことが良かったのではないかと思います。
 企画側も開発側もお互いの事情を汲もうという意識が形成されており、大変な中でも調整をつけられる環境になっていました。
 ここ1年で企画職の社員とも1on1を行って話す機会が増えたり、合宿を行って部署としての一体感が醸成されたことによって「育休を取りたい」と言い出しやすい環境になり、育休を取る人をみんなでサポートしようという風土ができてきたのではないかと思います。
 部署内での協力体制があることで、育休を取る人もサポートする周りの人たちも「自分ひとりだけで何とかしなければ」と思わずに済み、安心して業務に取り組むことができると思います。
 普段から意識せずともみんなで助け合う環境が整っていれば、それぞれの社員が要望を言い出しやすくなり、育休を取りやすくなることに繋がるのではないでしょうか。

 

 

 育休を取得者、また育休取得者のチームマネージャーともに「もっと男性も育休を取りやすい世の中になると良い」「育休はもちろん、それぞれの社員が家庭の事情に合わせて働きやすい環境を作りたい」という考えを持っていました。
 女性の健康情報サービス『ルナルナ』や母子手帳アプリ『母子モ』を運営する当社は、妊娠・出産・子育てなどの人生のライフイベントをサポートする企業として、様々なライフステージに立つ従業員全員がいきいきと働ける環境づくりに注力しており、従業員自らも働きやすい環境づくりを日々行っています。

不妊治療~子育てまでをサポート 全従業員が成果を出せる環境づくりの現場

男女問わず働く主体となる人々を取り巻く環境は日々変化し、ライフステージやキャリアパスも多様化しています。 そのような社会の変化をいち早く捉え、社員一人ひとりが仕事も生活もより豊かなものにできる「働き方」、成果を出せる環境作りに取り組む人事担当者に話を聞きました。     ― 会社の制度はどのように整備しているのでしょうか?   従業員一人ひとりが気持ちよく働ける環境を整えるため、人事制度は随時見直しを行っています。 ...

男女問わず働く主体となる人々を取り巻く環境は日々変化し、ライフステージやキャリアパスも多様化しています。
そのような社会の変化をいち早く捉え、社員一人ひとりが仕事も生活もより豊かなものにできる「働き方」、成果を出せる環境作りに取り組む人事担当者に話を聞きました。

 

 

― 会社の制度はどのように整備しているのでしょうか?

 

従業員一人ひとりが気持ちよく働ける環境を整えるため、人事制度は随時見直しを行っています。

人事部には日々社員からの意見や要望も溜まっていくので、都度、社員の要望を制度に反映できるよう検討していく柔軟な体制を築いています。

ある時は人事部から社員にアンケートを行い、どのような支援が必要とされているのかリサーチし、分析します。その結果をもとに支援制度の実現に向けて具体的にシミュレーションを行い、制度化することもあります。

 

- 社員によく使われている制度や、特徴的な制度はありますか?

 

時短勤務、フレックスタイム制など従業員一人ひとりの状況に合わせて勤務時間を選択できる点は役立っているようです。

例えば保育園の送り迎えの時間などは園により異なるので、それぞれの家庭が子育てと仕事を両立しやすい出勤・実働時間帯を選べる体制を作っています。

以前は時短勤務の社員はフレックスタイム制ではなく定時勤務扱いとなるため、家庭の状況に応じた業務時間の調整が難しいという意見がありました。

その意見をもとに、時短勤務の社員もフレックスタイム制を利用できるようにしました。

また、子育て世代の利用率が高い「チャイルドタイム」があります。

育児中は、どうしても子どもの世話などで急遽帰宅しなければならない時や、始業に遅れてしまうこともあるかと思いますが、子どもに関係する用事であれば月5時間まで遅刻早退が免除となる制度です。

これは、男性社員も積極的に利用している制度です。

女性の健康と妊活をサポートするルナルナを運営しているエムティーアイならではの制度として「不妊治療休職」という制度もあります。

最長2年まで、不妊治療を理由とした休職が認められるというものです。これは実際に、不妊治療を目的に退職を考えているという社員の声をもとに整備された制度です。

実際2年間休職後、無事出産し、職場復帰した社員も居ます。

不妊治療している本人と配偶者向けにファミリーサポート休暇という制度もあり、不妊治療が理由であれば月二回までは休暇を取ることができます。

新入社員の女性比率も高くなってきているので、女性が働きやすい環境を整備することは非常に重要なことだと考えています。
今回は子育て世代や妊活中の社員向けの制度を中心にお話してきましたが、女性社員や育児中の社員に限らず全従業員が働きやすく、より成果を出せる環境になるよう、これからも継続的に社員からの声を集めて整備を進めていきます。

失敗を恐れず、ゼロからイチを作り出す開発をするために

社内では、部署間の開発ナレッジの共有を目的とした「Hacker’s Day」を開催しています。主催している開発者2名に「Hacker’s Day」を通じて実現したい開発の未来や、エムティーアイでの開発の特徴について聞きました。 Profile コーポレートサポート本部 人事部 三田淳一(写真左) 2012年5月中途入社  ルナルナ、ヘルスケア認証基盤の開発を担当後、人事部と兼務でエンジニアの育成を担当。 現在は、母子モの改善プロジェクトにアーキテクトとして参画 ソリューション事業部 FinTechサービス部 西川...

社内では、部署間の開発ナレッジの共有を目的とした「Hacker’s Day」を開催しています。主催している開発者2名に「Hacker’s Day」を通じて実現したい開発の未来や、エムティーアイでの開発の特徴について聞きました。

Profile

コーポレートサポート本部 人事部
三田淳一(写真左)

2012年5月中途入社 
ルナルナ、ヘルスケア認証基盤の開発を担当後、人事部と兼務でエンジニアの育成を担当。
現在は、母子モの改善プロジェクトにアーキテクトとして参画

ソリューション事業部 FinTechサービス部
西川 真五(写真右)

一般商社の情報システム、コンサルティングファーム、SIerなどを経て2012年にエムティーアイに入社
当初はモバイルコンテンツを変換するモバイルコンバートの開発に従事
music.jpでレコメンドAPI開発などを経験し、現在はFintechサービスの開発を担当

エムティーアイ開発者の知を集結する「Hacker’s Day」とは

三田:開発者同士で自分の得意な技術分野や、最近の開発トレンドなどについて発表する会はこれまでにもありました。ただ、全社のエンジニアを巻き込んでナレッジの共有を促進することで、開発力向上にドライブをかけていきたいという思いから、これまでの活動を「Hacker’s Day」としてリニューアルしました。

エムティーアイでは、多岐にわたる事業・サービスがあり、開発の手法も事業・サービスごとに存在しています。
部署や事業ごとに開発者の得意分野や、持つナレッジも様々なので、それぞれが培ってきたものを共有することで、開発者のスキルアップにつながっていきます。

西川:エムティーアイの特徴として、クライアントからの受託でシステムやサービスを作っているわけではなく、サービスや機能を企画担当者と共に検討して作っていきます。

その過程でサービスを実現するために最適なミドルウェアだったり、開発フレームワークだったりを選んでいくのですが、決められた開発方法でクライアントの要望通り作るというスタイルとは違うため、事業・サービスごとに扱う技術領域が異なり、『隣の事業部のサービスがどう構成されているかわからない』と言うような状況が生まれがちでした。

決められた開発方法で、クライアントの要望通り作るというスタイルとは違うため、事業・サービスごとにナレッジがどんどん貯まっていきます。それらのナレッジと誰が何の領域に強い人なのだという”Know Who”を皆で分かち合うことで、自分ひとりでは思い浮かばない課題解決のためのアイディアを発見しやすくなるのではないか、と考えました。

多彩な事業を持つエムティーアイだからこそ「Hacker’s Day」でのナレッジ共有が重要

西川:現在、フィンテック分野で、特に金融庁や銀行との連携に関わるサービスや機能の開発に携わっています。SIerとして受託したシステムを作っているというわけではなく、まだ世の中にはない新しいサービスや機能を、企画職の社員と一緒につくりあげていく必要があります。
なので、エンジニアといえども金融業界の知識を常に収集して、課題を解決し、より良い社会を作っていくためにはどうすればいいのかまで考える必要があります。

三田:まだ世の中にはない、新しいものや機能を作ることが多いからこそ、ナレッジの共有はかなり大切です。新しいものを作る時や課題を解決するためにはアイディアがどうしても必要になってきます。
また、新しいものや機能を作る開発が多いからこそ、その開発の失敗から学んでいくという面は大いにありますし、失敗を恐れずチャレンジしていくことも重要だと思います。
ただし、何か課題解決にチャレンジする中で、サービスにトラブルが起こったりすると困るので、システムの可用性や信頼性を担保するためにも、事前にナレッジの共有をすることで予期できる失敗やトラブルを回避することにつながります。

エムティーアイの開発で実現したい未来

三田:「モノ(サービスやプロダクト)は人によって作られる」と考え、今は開発と人事を兼務しています。技術というのはあくまでも手段のひとつで、これをどのように使うかで世の中を便利にも不便にもします。
また、技術が進歩していく過程においても、モノ(サービスやプロダクト)を使ってくださるのはやっぱり人です。世の中の困りごとに常に関心を持ち、技術も夢と愛着を持って使いこなしていく姿勢を大切に取り組んでいきたいと思います。

西川:エムティーアイでは単純なシステム開発ではなく、事業開発ができるというところが気に入っています。私は元々SIerで受託ビジネスを主軸にやってきた経歴なので、事業を運営する会社で自分たちの事業に必要な自分たちのシステムを作り上げると言うのは楽しいです。

今後は、Fintechもそうですけど、ICTの力は少し頭を柔らかくして考えるだけで、今まで作業速度やコストの問題で出来ないとされていたことが魔法のように解決されて新しい価値を生み出すので、そういった価値をどんどん生み出せるようになりたいですね