2020年9月期の経営成績の概況

 当社グループの当期における事業環境は、大手携帯キャリアに通信料金と端末代金の分離を義務付けられたこと(通端分離)、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策に伴い全国の携帯ショップが営業時間短縮を一時実施していたこと等により、スマートフォン有料会員の入会は低調に推移しました。
 一方、外出自粛等の影響により「巣ごもり需要」の一つとしてデジタルコンテンツへの需要が高まりました。コミック配信事業者向けにオリジナルコミック作品を提供している事業については、「巣ごもり需要」の恩恵を受け順調に売上高を拡大させることができました。
 売上高については、音楽配信サイト『musico』等の事業譲受けによる効果やオリジナルコミック作品提供事業の売上高拡大がありましたが、2020年9月末のスマートフォン有料会員数は376万人(2019年9月末比16万人減)となり、全体有料会員数が459万人(同20万人減)と前期に比べて減少した結果、26,082百万円(前期比3.8%減)となりました。
 売上総利益については、売上高の減収を主因に18,951百万円(同5.0%減)となりました。
 営業利益については、音楽配信サイト『musico』等の事業譲受けによる効果や通端分離等の影響によるスマートフォン有料会員の入会低調に伴い、前期と比べ広告宣伝費を大幅に抑制することができましたが、売上総利益の減益を主因に2,507百万円(同15.3%減)となりました。
 経常利益については、営業利益の減益に加え、前期には持分法による投資利益112百万円を計上した一方、当期は持分法による投資損失431百万円を計上(持分法適用関連会社の株式会社Authleteに対する減損処理に伴うのれん一括償却が主因)したことにより、2,082百万円(同33.5%減)と大幅な減益となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券売却益およびクラウドキャスト株式会社を連結子会社化したことに伴う段階取得に係る差益等により特別利益809百万円を計上しましたが、経常利益の減益に加え、減損損失等により特別損失1,678百万円を計上したことを主因に506百万円(同66.4%減)と大幅な減益となりました。
 なお、当期における連結業績に対する新型コロナウイルス感染症の影響は軽微でした。 

連結損益計算書
単位:百万円
  2016/9 2017/9 2018/9 2019/9 2020/9
売上高 32,844 30,933 29,075 27,112 26,082
営業利益 5,355 4,053 3,218 2,959 2,507
営業利益率(%) 16.3 13.1 11.1 10.9 9.6
経常利益 5,310 3,972 3,116 3,134 2,082
経常利益率(%) 16.2 12.8 10.7 11.6 8.0
親会社株主に帰属する当期純利益 3,317 1,434 1,629 1,508 506
親会社株主に帰属する当期純利益率(%) 10.1 4.6 5.6 5.6 1.9